【自転車修理】
【保守で快適走行】
掲載データ“禁転載” ![]() ![]() カバー1速>3速ローラーブレーキ ![]() MTBリアキャリアの装着 ![]() リアスプロケット換装 ![]() MTBタイヤ変更 ![]() ハンドル変更 ![]() 1速>内装3速 ![]() サドル調整・交換 ![]() グリップ変更 ![]() LEDライトに交換 ![]() サークル錠交換 |
![]() 底付きしたフロントサスの修理/DudyXC 移 動: フロントサスの修理 DUDY XC初期型の修理 Fサスを取り外す インナー・アウターを分離する インナーチューブ清掃 ウレタン棒を加工 フロントサスを車体に戻す 交換後の乗り心地 リンク: ワイヤー交換 Vブレーキシュー交換 ママチャリブレーキシュー交換 ![]() ![]() 黎明期のフロントサスの修理/DudyXC トップへ
MTBが登場して一般に広まるキッカケとなったのは、太いタイヤと、自転車にサスペンションが付いたことで、路面の凹凸を更に吸収してくれるという当時ではインパクトのある構造でした。ROCKSHOCKSでは、当時JUDY,INDYなどがあり、この時期ではMTBの人気パーツとなっていました。黎明期には、サスペンションの構造はスプリング式ではなく、MPUエラストマーを樹脂パーツで繋げたタイプがありました。 ![]() 旧車のフロントサスの修理/DudyXC トップへ
この自転車はMERIDA DOMINATORで、この自転車はフルサスペンションのバイクでした。前にはROCKSHOXの中クラスのJUDY XCが付いていました。ROCKSHOXの上位モデルの緩衝部品は、コイルスプリング式だけだと思っていました。サスペンション付きマウンテンバイクは黎明期であったせいか、緩衝素材の試行錯誤が行われいたようで、MPUエラストマー材がスプリングの代わりに使われていました。MPUエラストマーは、発砲ウレタンのような素材です。これがプラスチックの連結用のコマでいくつも繋がれていて路面の凹凸を素材が吸収してくれました。当時は乗り心地が非常に良かったのですが、かなり長い期間が経っていたのでMPUエラストマーが経年劣化で弾力がなくなってしまっていました。といっても車体は健在です。 ![]() ROCKSHOX DUDY XC初期型の修理 トップへ
以前フロントサスペンションに異常を感じた時にトップスクリューを外したことがありました。その時はまだ内部のエラストマーがプラスチックパーツの上下にあるピンで繋がれていました。これが正常な時に全部で17cmくらいだったでしょうか?その時からもしかしたら10年経っていたかもしれません。
自転車自体も20年近くなると代替えパーツが無いことや、廃棄の事を考えると修理の意気込みが薄れています。ふと部品名を検索していると、外国のYOUTUBEでDUDY XCの修理サイトを見つけ修理の流れを知ることができました。しかしこのサイトは後継期型の物で緩衝材には性能の良いスプリングが使われていました。 ![]() 修理に必要な物トップへ
修理するフロントサスペンションのインナーチューブの内径によって、使うウレタン棒が違ってきます。もし購入する時にはその前にインナーチューブの内径を必ず計測してください。太いとインナーチューブに入りませんので、インナーチューブの内径の計測は重要な工程です。
また体重で圧縮されてカチカチになって土の様に変わり果てた、エラストマー。これをほじくり出すのに傘の分解廃棄で出たグラスファイバーの長い棒が役に立ちました。 Fサスの修理部品と工具を見る
![]() 作業準備/サスペンションフォークを車体から外す トップへ 前輪のブレーキワイヤーを外しておきます。アーレンキー(六角レンチ)5mmでコラムに付いているアヘッドステム2本を緩めます。次にコラムトップのボルトを緩めて取り外します。両足で前輪を抑えながらハンドルを左右に振って、ハンドルが付いたままのアヘッドステムを抜き取ります。今回はハンドルやケーブル類はぶら下がった状態にしておきますので外す時はワイヤー類に負担がかからないように慎重に行ってください。前輪のクイックリリースレバーを緩めてタイヤを外します。 この自転車は購入時から約20年近く経っていて、アヘッドステムのメンテナンスは1度も無し。(作業画像はありません)分解してみると、リテーナーとベアリングの間に塵とグリースで固まったと思われる物質が固まっていました。パーツクリーナーも全く効き目がなく、ベアリング球は一つ一つリテーナーから爪で外して清掃しました。リテーナー間にこびり付いた固まった汚れは歯ブラシとパーツクリーナーでほじくるように落とし、綺麗になったら球をはめ込みグリースアップを行いました。これで指で回しても硬球が回る様になりました。 ![]() インナーとアウターフォークを分離する トップへ
フロントサスのステムの上とアヘッドステムの下には、スペーサーやベアリング等の部品が入っていますので取り外して保管します。ステアリングのリテーナーは組み込む時に、丁寧に掃除してスムーズに回る様にしておきます(上記述)。
7mm程度緩めてあるボルトは、完全に抜かずにボルトを上に向かってハンマーで叩きます。そうすると奥に引っ込みます。この作業をもう片側も行います。こうするとアウターと固定していたインナーチューブが、アウターから離れます。コラム側からインナーを引っ張って緩めたボルトが引っ張られれば分離していますので、左右のボルトを取り外します。この時アウター内部のオイルが吹き出る場合がありますのでご注意。アウターを押さえながらコラムを持ってインナーを引き抜いて分離します。 インナーチューブ内部の清掃 トップへ 左右アジャスターボルトを取り外します。このタイプのROCKSHOX DUDY XCはエラストマータイプのせいか、24mmのボルトは使用されていませんので、大きめのロックングプライヤーの開きを大きくしてギザギザのボルトに噛ませてギザギザを舐めないように慎重に回します。黎明期のこのタイプは中に ラストマーとこれらを繋ぐ円盤から上下にピンが出ているもので繋がれています。 約20年の経年劣化でこのエラストマーは弾力がなくなり、ボロボロになります。さらに時間が経つと乗車時の圧縮でなんと土の様になっていました。これがインナーチューブに溶けた粘土のように固く詰まり、インナーの内側にへばり付いて、エラストマーブロックは以前のように引き抜けなくなっていました。長期間に劣化された素材が圧縮された結果だと思われます。
これをどうやって除去するか、下の穴から押し出して見たり色々試して見ました。圧縮されたエラストマーと、これを繋ぐ等間隔で入っている樹脂パーツ部分が、インナーチューブの内側に固着して行く手を阻んでいます。他のYOUTUBEでは同じ状況の修理画像がありましたが、これが取れなくて放り出す様に映像がパタッと終わっていました。 詰まっている物質をどうにかほじくり出せたのは、上端から5cmまででした。変質したエラストマーと等間隔で入っている樹脂部品が固く圧縮され詰まっています。・・・最終手段として、電動ドリルで何層かの樹脂パーツにドリル刃を食い込ませ引っ張り出すことにしました。ドリル刃は手持ちの最大径の10mmの物が1番長く、運良く一番下にある蓋になっていたプラスチックパーツまで取り出すことができました。インナーテュブの内部をのぞいてみると内壁にへばりついて取れなくなっていた円形パーツと「粉々になったエラストマーの成れの果て」が引っかかっていました。これを取り出すことが出来ました。インナーチューブの内壁には、残骸の異物がへばりついていますのでこれもほじくり出します。後はウレタン棒を入れるためにインナーチューブの内側を、パーツクリーナー等でできるだけ清掃します。 ウレタン棒を加工しインナーチューブに入れます トップへ
パーツクリーナーを入れダスターを巻きつけた棒でで内壁を掃除をした後、インナーチューブの内部の状態を確認します。底プレートが問題なく動き収まっていれば、ウレタンチューブを入れる準備をします。この初期型のROCKSHOX DUDY XCはエラストマータイプで長さは約175mmです。両側のインナーチューブに、200mmのウレタン棒を差し込んでみて深さを確認します。ウレタン棒に175mmの印をつけインナーチューブに入ます。サスを伸ばした状態で、トップキャップの厚みを考慮して、左右の入る長さを確認します。インナーチューブ内に異物が残っている場合はきちんとはいりませんので再び除去します。OKでしたら175mm程度の長さにカットします。 各部品にグリースを塗り、納めます トップへ
摺動部にたっぷりグリースを塗ります。そしてアウターチューブのオイルシール(摺動部)部分も綺麗にして、たっぷりグリスを盛っておきます。インナー下のシャフトは引っ込みやすいので仮にウレタン棒を入れておきトップキャップを締めておきます。グリースを塗ったシャフトとインナーチューブをアウターに静かに入れます。 ![]() ![]() アウターチューブに入れる前にインナーとアンダーシャフトにグリースを塗ります。 ![]() ![]() アンダーシャフトにもグリースを塗り、インナーをアウターに入れます。 ![]() ![]() ダンパーオイルをシリンジに充填します。ダンパーオイルをシリンジに充填します。 完成したフロントサスを車体に戻します トップへ
これから修理したROCKSHOX DUDY XCを、車体に戻しますので各部を清掃します。Fサスのコラムの上下のベアリング・リテーナーを、鋼球と枠をバラバラにして清掃します。長期間のメンテナンスしていない場合は、埃とグリースが泥の様に隙間に固まっています。この固まった異物を、尖ったものでほじくり出します。 フレーム側にもグリースを充填しセットします。次にコラムにハンドルステムを差し込みアヘッド上部のネジをスターファングルナットにねじ込みます。ガタツキとハンドルの滑らかな曲がりを確認します。締込みが強すぎるとハンドルが曲がりにくくなります。
また緩すぎるとブレーキング時にフォークが前後にガクガクします。調整に納得ができたら、ステムの2本のボルトを締めて固定します。 交換後の乗り心地 トップへ
さて走行感覚ですがフロントの長さが戻り、水平が取れたためか乗車感覚が良くなりました。フロント材交換の段差を乗り越えた時の乗り心地は、リジットの様な突き上げ感は感じませんでした。インナーチューブと挿入したウレタンの直径差が周囲2mm程度ありますので、衝撃を受けると太くなってわずかでも衝撃吸収効果もあるのでしょう。さらに太いMTBタイヤのW効果で凹凸の乗り越え時の違和感は感じませんでした。
組み立て時の注意・経年劣化・エコな修理 サスペンション付き自転車の運転時の注意点
乗り心地の良いサス付き自転車ですが、フルサスの運転で気を付けなければいけないのが、パニックブレーキなどのフロントブレーキのかけすぎです。重心が前に移動したことで、リアサスの負荷が減り圧縮されていたバネが伸び、場合によってはジャックナイフや前転してしまうこともあります。黎明期はロック機構やアンチノーズダイブ機構はありませんでした。フルサスMTBのフロントサスペンションは一般舗装路しか走らないのであれば、深いストロークはあまり必要ありません。このウレタンのわずかな縮みと太いタイヤのクッションで十分ではないかと思います。 移 動: フロントサスの修理 DUDY XC初期型の修理 Fサスを取り外す インナー・アウターを分離する インナーチューブ清掃 ウレタン棒を加工 フロントサスを車体に戻す 交換後の乗り心地 リンク: ワイヤー交換 Vブレーキシュー交換 ママチャリブレーキシュー交換
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